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削って凌いでいく日々
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なんというか。 この感想をどうまとめようか、帰りながらぼんやり思いました。 いや、おもしろいかと聞かれたら「おもしろいよ」とはっきり言えるし。 素晴らしい作品であるということは、確実であるけども。 なんというか。 読んだあと、自分の感情の行き所がわからなくなる。 演劇「ピローマン」を見た時のような吹っ飛ばされるような衝撃もなくて。 始終、加速を感じる。 だけど、加速すればするほど、重く感じる。 重苦しい疾走感。焦燥感も無い。 文章は、独特な形で、簡潔さがあるけども、本質を突いた選び抜かれた言葉で構成されてて、その一文一文に翻弄はされる。 だけど、その言葉は、蛇足が一切なく削ぎ取られていてねぇ。 京極作品のように、読者を深みに導くようなことがされていなくて、陶酔させることはさせない。 そういう意味では、読者を疎外させてる気もするけど、でも、それでもこの本に描かれていることは、魅了させられずにはいられない力があるんだよなぁ。 以下詳しくは書いてないけど、ネタバレに関するかも。 なんというか。
一言で表すと、瓦解していく物語。 読み進めれば進むほど、崩れ落ちていく音が聞こえるよう。 まぁ、マルドゥック・スクランブルの前の話だから、展開は最初から薄々分かるんだけど。 (あ、でも、これって「続編」と言ってもいいかもしれない) あとがきに、ウブカタさんは「なぜ書かなければいけないのかと自問した」とあったけど。 その言葉に集約された作品だと思う。 3巻に入ってからは、すごくそれを感じる。 エンターテイメントは、その受け口がすごく広い。 バカ正直さなものだって、ただド派手にしたいだとか、ひねくれたものだとか、悲観を主眼にしたって、なんだって、受け入れてくれる。 だけど、この小説は「エンターテイメント」にあっていいのか?と感じた。 余計なお世話だが、もう、三巻からその心配があった。 なにか知らないけど「いいの?」と。 最初にエンターテイメント性がドカンとあって、読み進めれば進めるほど、「エンターテイメント」ではなくなるんだもん。 (でもラストで、エンターテイメントの枠に収めたあたり、ウブカタさんはすげぇと思った) あー。すごいなぁ。 私なら、「なぜ書かなければいけないのか」と思った時点で放棄する。 それに挑んで書いたこの作品には、恐ろしさすら感じる。 ちょっと、しばらくは読み返すことができない本だなぁ。 んで。キャラクターについて。 どれもすごい魅力的。 性格と能力があって、小説中に出てきた組み合わせが、なんかどれもパズルがぴたりと嵌る感覚。 09のメンバー全てが好きだ。 ハザウェイのかわいさも、クルツのダンディズムも、ワイズのひねくれ具合も、どれも捨てがたいが。 一番は、イースター博士。 09の中でも弱さのある人ですよね。優しさとも言っていいものだけど。 だけど、泣き叫んで叫びながら、でもちゃんと決断するあの姿は、もう、ステキすぎる。 イースター博士がマルドゥック・スクランブルで尊敬している人の格好をしているってあったのを覚えていて、読んでてわーきゃーしてた。 あの道化と弱さの根源が見れて、すごいときめいてました。 あー。 魅力的なメンバーなだけに、崩壊の物語は、きついのかもしれないなぁ。 http://soramania.blog11.fc2.com/tb.php/86-7b366c03 * トラックバック *
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