著:高里椎奈
この著者さんのは初めて読みました。
まぁ、何故これを手に取ったのかというと、表紙の挿絵が好みだったから(笑)
時々、表紙で選ぶのですが、結構表紙買い(といっても、今回のは図書館で読んだけど)って、「こんな絵を描かせてしまう内容ってどんなのだろうなぁ」というところから来るんですよね。
だから結構挿絵って手に取るきっかけとしては重要なのかもしれないと、最近思うようになりました。
文章の雰囲気は、何故だか、ふわふわしてました。
挿絵の雰囲気とすごい合ってました。
全体的に、とんとんとんとん、と、結構でかい話が進んでいくのですが、描写が軽いのかというと、そうでもなく。
なんだか、今までに出会ったことの無い文章を書かれる方だなぁ、と思いました。
孤狼と月ストライフ王族の娘のフェンベルクは大好きな兄のために、若干13歳だというのに忌み嫌われるグールを率いる将軍の役についている。
ある時、ささいなきっかけで、隠された真実を知り、兄に利用されていただけだと知り、無実の罪で国外追放される。
見知らぬ国で売りに出されるフェンベルクを買った男は、ストライフを憎みながらも、ボロボロになったフェンの身体の回復を助ける。
生きる気力を失ったフェンベルクの、立ち上がりの話。
13歳で将軍かよ! と、まずはツッコミ。
そういうベターっとした設定ばかりな本なのかなーとか、思ったのですが、派手な事件はあまり無く。
むしろ、国とか地域とかの文化差とか地道なところとか描いていたりして、すごい好感が持てました。
ただ、どうしても主人公の感情の起伏がそんなに大きくないので、淡々と読めてしまうんですよ。
そこがなぁ、なんだか、ちょっと退屈ではありました。
あと、兄に裏切られるシーンも、サラーっと流れてたのが、びっくり。(あれは、後々の巻の伏線なのかなぁ……?)
しかし。
最後のあのエピソードは、ほとんど淡々としていた対比で、すんごい、ぐぁー!ってキたんだよなぁ。
あの数ページで泣きそうになった。
騎士の系譜フェンベルクが「世界を知りたい」と思って旅に出て、ソルド王国でロカという騎士見習いと仲良くなる。
しかし、国立蔵書館である陰謀を耳にしてしまい……
ストーリーは、すごい転がって転がって転がるんですが。
やはり、淡々としている。……なんでだろうなぁ。
いや、嫌いじゃないけど。
地域の文化の匂いとかを大事に大事に描いている感じがいいなぁ、とは思うし。
最後の展開は大好きです。
王座とかのね、あの描写は。
虚空の王者ソルド王が誘拐され、パラクレスに密入国するフェンベルク。
しかし、そこで、ソルド王にそっくりな男クドラを目撃し、飛び出してしまうフェンベルク。フェンベルクはクドラを守る女ベルテにやられ、クドラに捕らえられてしまう。
2巻の続き。(あーあ、ネタばれちゃった)
読んだあと、「虚空の王者」って題名がすごい好きになりました。
クドラがかっこいいなぁ。
この作家さんは「なにか掴みにくいものを必死に、でもそのままに形にしようとしている人」なのかなぁ、と。
分かりやすく描写してしまうと、ゆがんで逃げていくものを、淡々と描写しているのかもしれない、と思うようになりました。
ただ、後半にもっていく説得力に強みをもたせるため、前半の描写にそれっぽいものをおいてほしかったなぁ。とか思ってみる。
あとね。
3巻になるとね。
「3文字名詞」が多くて。
すごい、人物とか混乱しちゃったなぁ……。
全体的に「なんか、淡々としているけども、読んでしまう」みたいな印象でした。
「おもしろい!」とか「おもしろくない!」とかって言い切れないんだけど、なぜか気になって読んでしまう、という感じ。
この作家さんの目指す先が気になってしまうのかなぁ……。
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