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ジャンヌ・ダルクまたはロメ


収録作品
  • ジャンヌ・ダルクまたはロメ

  • 戦争契約書

  • ルーアン

  • エッセ・エヌ

  • ヴェロッキオ親方

  • 技師

  • ヴォラーレ


佐藤賢一氏の短編の文庫化ということで、購入してみる。
佐藤さんの短編は、初めて読むのですが、やはり長編と比べて物足りないなぁー。という感があるものの。
やはり、読んでいる間は、登場人物一人一人に感情移入してしまうんだよなぁ。

まぁ、一話ずつ、簡単にあらすじと感想を。
●ジャンヌ・ダルクまたはロメ

シャルル7世に近づいたジャンヌ・ダルクを、政敵の送った女かと、宰相ジョルジュが、腹心ルイにジャンヌについて調べさせる。


佐藤さんは、歴史的事実に基づいて、そこから想像を膨らませるのがうまいなぁ。
ジャンヌの聖性と、ジャンヌの推測される秘密と。
どっちも、はっきりとしないままうやむやなままにしておくのが、また憎い。私はこういう演出好きです。
あと、「傭兵ピエール>」を読んでいたら、”あの名前”が出てきて、ニヤリとさせられます。
佐藤さんは、さりげなく世界観を繋げるのがこれまた憎いですね。


●戦争契約書

とある、ブラザー・イン・アームズ(戦争義兄弟)の契約を交わした際の契約書ができるには、こんなやりとりがあった。


これもまた、多分、実際にあった契約書から、想像をふくらませてるんだろうなぁ。
なんか、一攫千金を狙って、戦争に行く人の素顔というか、そういうのがうかがえて、これはこれで楽しかったです。


●ルーアン

ジャンヌ・ダルクがイングランドに捕らえられた。
神学の殿堂であるパリ大学は、魔女かどうかである審問をするために、ルーアンに赴く。その船の上には、将来有望される貴族出身のジャックがいた。
ジャックは、騎士道精神からくる正義感から、ジャンヌの命を助けようとするが…


やっぱり、佐藤さんの描く坊主はかっちょいいです。
「騎士道とは、正義感。それはキリスト教徒の美徳であり、キリスト教徒である証明」と思っているジャック。
だけども、それは違うのだと思い知ることになる、あの挫折の瞬間。
そして。ラストのあのシーン。
この短編集の中で、この話が一番好きです。


●エッセ・エス

カスティーリャ国の王女イザベルは、ある人を待っていた。
イザベル王女は、不仲の兄にポルトガル王と婚約者を選ばれたが、イザベル王女は自ら国のことを考え、婚約者にアラゴン国のフェルナンド王子を選んだ。
カルデナスは、フェルナンド王子に来てもらうため、迎えに行くが、フェルナンド王子は破天荒な人物であった。



めずらしく「王子様お姫様」な王道なお話。
話の筋も、王道だし、「読者」としては、すぐに筋は検討がつく。
けども、やはり、人物像がやっぱいいんだよなぁ。
妻子持ちのフェルナンド王子とか、もう、すごいおもしろい。
下品なんだけど、めっちゃかっこいいんですよ。
だからこそ、あのまじめなシーンが、ぐっと引き締まって、なんだか説得力がある。


●ヴェロッキオ親方

芸術が、芸術家の手によってではなく、職人の手によって作られていた時代。
ヴェロッキオ親方は、とある弟子の手直しをしようとしていた。
その弟子は、他の弟子と画風が違い、協調性がない。共同作業の絵に向いていないのである。
筆をいれて直そうとしたとき、ヴェロッキオ親方は、あることに気づく


10ページにも満たないお話。
だけども、なんか一番印象に残っているお話です。
というか、この数ページで、涙出そうになりましたよ。危ない危ない。
人間の醜さと美しさを、この数ページで出せるってすごいなぁ。


●技師

フランス軍がロカの街にやってくる。
戦々恐々とする街に、アントニオが帰ってきた。
アントニオは自らを「軍事技師」と名乗り、自分の腕と知識を買わないかと街に持ちかける。
アントニオは、故郷ロカに、復讐するために戻ってきた。


ゆがんだ男を書かせたら天下一品でなかろうか。そして、ゆがんだ男ってのは大好きです。
恋心と復讐とこれが一体になっているんですよ!? めっちゃ素敵じゃないですか!!
ラストがねぇ。アレでねぇ。好き嫌い別れると思うけど。私はあの終わり方は好きです。


●ヴォラーレ

レオナルド・ダ・ヴィンチは、とある絵を請求されていた。今日も「早く描いてくれ」とマキャヴェッリに催促をされる。
が、レオナルドは「人間の飛行実験」について考えていた。
そんなレオナルドに、マキャヴェッリは、ミケランジェロの名を出し、比較する。


なんだろう。鳥(飛ぶこと)と、競争心とか。そういうのを、うまく結びつけたお話です。
多分、現代の感覚にすごく近い感じの話だと思います。
うーん。なんだか、軽く見返したら、もう一度、じっくりと読んでみたいお話だなぁ。

03/31 22:02 | [記録]本 | CM:0 | TB:1
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久しぶりに、佐藤賢一を読みました。そういや、この人も直木賞作家ですねえ。リュック・ベッソンの「ジャンヌ・ダルク」が好きで好きで仕方がないんですが、狂気ってゆーか、妄想に取りつかれた少女ジャンヌってのが、ミラ・ジョヴォヴィッチの体当たりの演技とあいまって..
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