双頭の鷲 著:佐藤 賢一<あらすじ amazonより抜粋>
時は、中世。イングランドとの百年戦争で、劣勢に陥るフランスに登場したベルトラン・デュ・ゲクラン。このブルターニュ産の貧乏貴族、口を開けば乱暴粗野なことばかり。だが幼き日より、喧嘩が滅法強いベルトラン、見事な用兵で敵を撃破する。神は、武骨なその男に軍事の大才を与えたもうた!鉄人チャンドスは戦慄し、好敵手グライーは闘志を燃やす―。歴史小説の新たなる傑作。
これ、おもしろい!!
私が読んだのはハードカバーだったので、家で毎夜毎夜飽くことなく、一気に読みました。
夜2時すぎまで読んでて、「あぁ、寝なきゃなァ」とか思うんですけども、「寝るのもったいないなぁ」とか思わせるくらいの。
100年戦争が時代なのですが、西洋の歴史とか一切分からなくても楽しめます。高校時代世界史投げた私でさえ楽しめました。
これは、本当にオススメ。
佐藤さんの本は、最初はとっつきにくいかもしれませんけども。3章くらいまで読めば絶対引き込まれます。
私もこの本、3、4章までは、ちょっと退屈だったです(笑)
弟達が土下座する章の最後の最後で、一気に「うわぁ!いい!」と一気に切り替わりました。
主人公のベルトラン・デュ・ゲクランってのが、ぶさいくで、目がぎょろりとしていて、背中なんかカニみたいで、手は長くて膝まであって、坊主頭で、精神年齢がもう子供。なにかと「う○こ」を連発して発言するような、子供!!
もぉ、ね。かわいいんですよ!!!(ぇ
戦争の天才なんですけども、彼にとっては子供がおもちゃでものっすごい遊ぶようなそんな感覚で。この描写もこれまた魅力的。
褒められれば頑張ってしまう、この単純さ!!
でも、このデュ・ゲクランは自分の容姿にコンプレックス抱いてて、女性を嫌ってるんだけども、実はそのコンプレックスが、これまた理由があって。
美しい母親が醜い子供を嫌っていたので、「母親=女=自分が嫌い」というのにずーっととらわれていて。
その、負い目みたいなもの含めて、すごく魅力的なんですよ。
英雄=かっこいい!美形! という図式しか許せない人は、読んでつまらないかもしれないけど。
私が今まで読んだ中で「魅力的な人物を描いた作品」ナンバー1と言い張れます。
佐藤さんの本は、登場人物みんな「人間」で。
敵役も「悪役」ではないんですよ。判を押したようなキャラクター概念ではなく、ちゃんと一人一人丁寧に描いてる。
従兄弟の坊さんのエマヌエル・デュ・ゲクランが、ね。すごい好きだなぁ。あの、彼の繊細なほどな相手を思いやってしまう性格が、すごいいい。
シャルル5世のあの、冷徹なまでの策士家なのもかっこいいし!
あぁ、でも黒太子エドワードを孫のように可愛がる鉄人チャンドスもいいんだよなぁ。
ただ、残念なのは、後半ですかね。
前半がすごい快進撃だっただけに、後半のアレは、すごい読むのが苦痛でした。救いを求めながら読み続けて。
読んだ後味は、あまりよくない(笑)
でも、絶対読む価値、あります!
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